鬼の花嫁 考察 蛇塚と梓の不仲の元凶

鬼の花嫁 ネタバレ考察

第二部の準主役である蛇塚柊斗と梓。
二人の縁談が上手くいかなかった最大の原因は蛇塚自身にあるのですが、瑶太と違って花嫁にけしかけられて暴走していたわけでもありません。
蛇塚の縁談がことごとく上手くいかなかった理由は蛇塚の両親にあると明かされました。

容姿が原因で婚約者すら決まらなかった蛇塚

あやかしは原則あやかし同士で結婚し、大半が一族内の政略結婚です。
地位が高すぎて婚約者選びに時間がかかった玲夜、桜河や高道のように霊力が釣り合う未婚女性が一族にいない場合、社会人になっても婚約者がいないということはザラにあるようです。
しかし下位のあやかしの東吉(にゃん吉)は中学二年で婚約者がいました。
漫画6巻書き下ろし小説「蛇塚の婚約者」にて、蛇塚の婚約者の話題が出ます。
しかし蛇塚には高校三年でも婚約者がいなかったと明かされます。

その原因は「蛇塚の顔が怖い(容姿)」とのことですが、世界観に矛盾しています。
「女性のあやかしが結婚相手に求めるのは資産と霊力、容姿は二の次」という基本設定に照らし合わせると、蛇塚は経営能力が高い上に次期当主で性格も悪くなく、堅実な縁談相手です。
しかも柚子と透子は「顔が原因で縁談を断られた」と言われるや納得してしまいます。
美女で気弱な梓が怖い顔で花嫁に威圧的な蛇塚を生理的に受け付けないというのは23話でわざわざ質問せずとも分かっていたはずなのに、梓が蛇塚を嫌っている理由を口にせず知らん顔をしているので、二人にはかなりがっかりしてしまいました。

自分たちはイケメンと結婚するのに、美人な梓に醜い蛇塚を好きになってやれ、外見より中身を見てやれって、柚子も透子も上から目線でかなり意地悪だよね。

蛇塚が梓好みに美容整形するか梓に洗脳の術をかけないと愛されるのは無理って現実を伝えず、蛇塚を慰めるばかりで傍観した結果が第二部の事件だからね。

蛇塚も梓の真意を知らないなりに「外見が怖がられている」と想像はしていました。
しかし蛇塚は外見を改善しようとせず、漫画版のファッションも全体的に酷すぎます。
威圧的な容姿を強調する黒革のライダースジャケットに高校生のような大きなスポーツバッグ、フォーマルな親睦パーティーでノーネクタイ開襟で派手シャツという品性を欠いた服装です。
22話・23話の初登場も大きな音を立てて乱暴にドアを開ける、小柄な梓を両手で無理やり押さえつけて怒鳴ると、梓が嫌う「卑劣なあやかし」をわざと演じているような有様。
ここまでくると、金持ちなのだから蛇塚に衣装やメイク担当をつけてあげてほしいです。
蛇塚のファッションセンスが壊滅的なので、両親や使用人が気を使ってあげるべきですよね。
上記のとんでもないファッションのせいで余計に縁談が失敗したのだとしか思えません。
(23話扉絵や人気投票カラーイラストも厳つすぎて、梓が嫌がるのも無理ないかなと…)

蛇塚と梓の縁談を最悪にした蛇塚の両親

次期当主だから早く婚約者を決めないといけないと蛇塚の両親は焦っていました。
だからこそ婚約者すら決まらない蛇塚に花嫁が見つかった時、蛇塚の両親は嬉しかったのでしょう。
しかし蛇塚の両親は最悪なミスを犯してしまいます。
梓の実家が多額の借金と経営難の会社持ちと知りながら、梓が無理やり花嫁にされるケースを全く想定せず、梓に意思確認せず縁談を進めてしまいます。

親任せの蛇塚も悪いけれど、蛇塚の両親が梓にちゃんと確認しないまま縁談を進めたせいで、蛇塚が梓に嫌われてしまったからね…。

ちゃんと確認せず梓を放置した蛇塚も悪いんだけれど、蛇塚の両親が人間の梓を見下して、花嫁に選ばれて喜んでいるに決まっていると思い込んだのが元凶だしね。

しかも両親の余罪はまだあります。
蛇塚の母親は「借金で生活に困っている花嫁の実家のため、ご実家の生活費軽減のため梓を蛇塚家で同居させてあげよう」と言い出したのです。
管理人は読んでいた時「何を言っているんだ?」と理解不能でしたが、蛇塚の父親だけでなく花嫁と一緒にいたい蛇塚も同意してしまいます。
家柄は猫又より蛇の方が少し上のようですが、蛇は人間の感性も常識も無く、コミュニケーションを全く取らない傲慢なあやかしという印象でしかありません。
あの花梨ですら、瑶太の実家での同居を頑なに拒否していました。
会ったこともない梓が蛇塚の実家での同居を喜ぶわけがないのに、蛇塚は梓に会いにも行かず嬉々として同居の準備を進めてしまいます。
同居開始初日にて真実が明らかになっても、蛇塚家は強引に婚約と同居を続けます。

まともな親であれば、梓の進路を変えたことを含めて謝罪し、話し合いの場を設けるはずです。
本心で梓に蛇塚と結婚して霊力の高い子を産んで欲しいと思っていても、そんなことを最初から口に出すなんて品性を疑われるでしょう。
しかし蛇塚の両親と使用人はこぞって梓だけを責め、蛇塚の味方になってしまいます。
梓が高校の終わりで花嫁になった(3月)とするなら、衣替えする前の春(4月~5月)が本編でしょう。
たった一ヵ月~二ヶ月の同居で梓がノイローゼじみた精神状態に陥るなんて、一体何をしたら梓がここまで追い詰められたのか、18歳~19歳の少女に過酷すぎる運命だと気の毒に思います。

花嫁と婚約・同居から一ヵ月~二ヶ月で婚約解消って一番世間体悪いよね。

瑶太と違って鬼龍院家からの罰で花嫁を降ろした事実が公表されていないし、蛇塚と梓が不仲だった目撃情報もあって、花嫁を生涯本能で愛する蛇塚の婚約者になりたがる女性は余計に減ったと思うよ。一番に愛してもらえないわけだし。

花嫁の悪口を言いふらす蛇塚家

梓と別れた後の蛇塚は都合よく愛してくれるあやかしの女性・白雪杏那と恋仲になります。
蛇塚は本能で梓しか愛せないため、杏那の告白を何度か断りました。
しかし一度は花嫁が見つかったからと杏那が諦めた蛇塚がフリーとなったからと、杏那は諦めず猛アタックの末に蛇塚と交際を始めます。
管理人的には蛇塚にとって一番相性が良いタイプだとは感じました。
順調に交際を進め、式場も抑えて両家は顔合わせをするほどになっていきます。
杏那は婚約者として花嫁のように蛇塚家で既に同居を始めていました。

蛇塚家は花嫁が見つかって結ばれなかったあやかしという、一生あやかしから一番に愛してもらえない貧乏くじのような縁談でも嫁いでくれる杏那を歓迎します。
しかしその歓迎が行き過ぎた結果、花嫁だった梓の悪口を周囲に言いふらします。
それを聞いた柚子は微妙な感情になりますが、蛇塚家と懇意にしている東吉(にゃん吉)&透子夫妻はパーティーで梓の悪口で盛り上がって追従しました。

ウェディングハイだったとしても意味が分からなさすぎるよ!

梓の評判を下げることで蛇塚の名誉と体裁を保ち、嫁いでくる杏那のことを花嫁より歓迎しているって示そうとしたんじゃないかな。最低だけど。

管理人としてはもし蛇塚がちゃんとした両親に軌道修正してもらいながら縁談を進めていたとしたら、梓と蛇塚がカップルになることはできたのではないかと思います。
(前提として梓の好きな玲夜が柚子と入籍し、絶対に梓が手の届かない存在にならないと厳しいとは思いますが…)
しかし両親が息子の蛇塚可愛さで余計なことばかりした結果、息子の良縁を潰したという印象です。
そして何より、蛇塚の今のメンタルで誰かの夫や父親にしていいのかと不安にも思います。

番外:蛇塚の両親がまともだったら

まず縁談を親経由になんてしません。
蛇塚と今までダメになったお見合いのように、ちゃんと対面させます。
蛇塚や両親はそれでダメになるかもと危惧していたようですが、だまし討ちのように婚約まで顔合わせせずに恋愛結婚できるわけがありません。
当然梓は嫌がるでしょうし、梓の両親は金のために梓に頼み込んで承諾させようとするでしょう。
それを目の当たりにして蛇塚が「お金なら出すから婚約してください」なんて梓の実家を買収しようとするなら、親として叱責してでも止めます。

じゃあそのまま破談にするってこと?

私なら婚約を強制せず、蛇塚のポケットマネーから梓の大学費用や弟妹や家族の生活費を一時的に出させて、梓が社会人年齢になるまで待つよ。

梓はなりたい職業があったようで、その夢と進路を潰されたことも蛇塚を嫌った原因でした。
お嬢様育ちでアルバイトもしたことがない梓にとって、社会人として働き実家にお金を入れて自由に金が使えない生活は苦しいはずです。
そうなった時「生活のために花嫁になるという選択肢もありなのでは?」と本人が花嫁になりたい方向に誘導します。

その頃には柚子が玲夜と結婚し、梓の玲夜の花嫁になる夢が潰れるはずです。
玲夜が自分の手の届かない人となり、花嫁教育で梓よりあやかしの花嫁として礼儀作法や教養を覚えてブランドの服を着る柚子を見たら劣等感を抱くとも思います。
(容姿で見下す可能性はありますが、原作と違ってブランド服を着る余裕が梓には無く、かくりよ学園にも通えていないので、柚子にそもそも張り合えないでしょう。)

蛇塚も梓に押しつけがましく「花嫁になってくれ」と言わないよう、親としてきつく口止めします。
東吉(にゃん吉)のように自分を愛してくれるまで、自発的に花嫁になりたいと言うまで待つという方式を真似るしかありません。
梓にアプローチしてくる男たちは容姿こそ蛇塚よりマシかもしれませんが、経済力は劣るし他の女性に浮気するリスクのある人間が物足りなく思えているでしょう。
(そもそも蛇塚が他の男がちょっかいをかけないよう妨害しそうですが…)
周囲が結婚する中、婚期に焦り始める梓が蛇塚の花嫁になることを妥協するのもそう遠くはないはずです。
そこまで行けば、働かなくて済む楽な花嫁修業とセレブで家事すらしなくていい優雅な暮らしに「蛇塚でいいや」と梓もほどほどの幸せで満足できるでしょう。

花嫁に選ばれるというのは職場の同僚や先輩後輩にマウントを取れる良縁でしょうし。
そこから徐々に愛情を深めていけば、次第に梓も心を開いてくれるのかなと思います。

管理人としてはそういう風になって欲しかったなと願いますが、瑶太と違って何も成長しない蛇塚が今のまま楽に結婚してしまうルートに入ってしまうんでしょうね…。
杏那との結婚生活も何となくですが、蛇塚の両親が余計なことをしそうです。

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コメント

  1. シルヴィス より:

    お久しぶりです。シルヴィスです
    花色様が仰っておられたように
    猫又夫妻は娘が生まれて親になったはずなのに
    未だに梓の悪口を言い続けているのを見て
    思ったのですが、この二人は
    もしも梓が自分の娘の命を助けてくれたら
    彼女に対してどういう対応すると思いますか?
    キチンと礼を言って梓の悲惨な心境に気付いて
    謝罪をするのでしょうか
    それとも、余計な事するなと言った後自身の娘にも
    あんな女に助けられるな!この恥さらし!などと
    暴言を浴びせてしまうのでしょうか
    特に透子の暴走っぷりを考えると
    後者の考えが完全には否定出来ないんです
    どうかコメントを返してくれれば
    嬉しい限りです。

  2. 花色いぬ 花色いぬ より:

    お久しぶりですシルヴィス様、またコメントいただきありがとうございます!
    早速ですが返信させていただきますね。

    >梓が娘(莉子)の命を助けてくれた時の猫又夫妻の対応

    結論から申し上げると後者(娘や梓を罵倒する)可能性は極めて低いです。
    理由としては、透子の暴走は下記条件のいずれかに該当した時発動するからです。

    1. 大切な人を貶められたり傷つけられた時
    2. 自分の善意(忠告やアドバイス)を拒絶されて腹が立った時
    3. 自分の容姿や性格を馬鹿にされた時

    透子が原作で梓に酷いことを言ったのは上記の2に該当したからです。
    最後まで謝罪しなかったこと、パーティーで悪口三昧だったのはどうかと思いますが、東吉(にゃん吉)が梓と仲良くならないよう引き離したり、梓の悪評を透子に伝えたのもあると思います。
    実際に透子は柚子に深く同情するあまり、狐月家の花嫁だった花梨を「あの女」を嫌悪しました。
    梓の事情を知って同情し、柚子と結託して梓を保護したり破談にしようものなら、東吉(にゃん吉)としては友好的な同格の蛇塚家の恨みを買うので政治的にまずい状況ですからね。

    上記の梓に対して色々やっているので猫又夫妻は「梓が娘(莉子)を助ける」といったことをしたら気まずそうにしながらだとは思いますが、さすがに礼を言うと思います。
    何せさんざん透子を巻き込んで危害を加えられ、呪いで命を奪われそうになっても東吉は柚子に「透子を助けてくれてありがとう」と言っています。
    私が東吉だったら二度と透子を巻き込むなと怒鳴り、透子を家から出さず柚子と関わらせようとしませんから。
    それなら単に嫌いなだけの梓にはきちんとお礼を言えるのではと。

    「梓が猫又夫妻の娘を助ける」という設定は、人間より高い回復能力のあるあやかしの娘が、猫又の中でも戦闘訓練を受けている護衛より非力な梓が助けるというシチュエーションは梓が柚子のような特殊な能力を持たない限り実現不可能ではありますが…。
    少なくとも娘を怒鳴りつけるには言葉が理解できる年齢まで成長していないと不可能ですよね。
    命の危機にあった娘のことを、かつての透子ですら「柚子なんかと関わってるからこうなったんだ!」と怒鳴られなかったのですから、透子と東吉が自分の気に入らない人間に助けられたことを怒鳴るとは考えにくいです。

    上記回答で幾らかシルヴィス様が安心できたなら幸いです。
    疑問点がございましたら、またコメントいただけますと幸いです。

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