『鬼の花嫁』第二部および原作二巻に登場したカップル、梓と蛇塚。
今までと異なり、あやかしを嫌う花嫁と花嫁に一方的に執着するあやかしという組み合わせ。
その後の二人がどうなったか、原作小説を交えて解説していきます。
蛇塚は梓と婚約解消する
蛇塚は梓と婚約解消を選び、花嫁学部を退学させて実家に帰します。
梓に嫌われても本能で愛し続けた蛇塚ですが、何故別れを選んだのでしょうか。
- 梓が柚子の誘拐に加担し、反省も謝罪もしなかった
- 梓から愛されず憎まれることに疲れ、結婚を諦めた
上記の原因はどちらも梓の「好きな人」が大きく関わっています。
梓の好きな人
梓の好きな人は玲夜ですが、一方的な片想いで玲夜は梓の存在すら知りません。
蛇塚が親睦パーティーで梓と出会ったのも、梓が玲夜目当てで参加していたからです。
梓にとって蛇塚は、実家や梓を助けてくれた恩人ではありません。
梓の恋路を邪魔した挙句、金で無理やり花嫁にした卑劣なあやかし。
そのため梓は蛇塚を嫌い、蛇塚からの婚約破棄を願って酷い態度を取りました。
どうして梓から婚約解消を言わなかったの?
資金援助をあてにする家族から酷い扱いを受けるのが怖かったからだよ。
梓は玲夜の花嫁になり、蛇塚や実家から助けてもらう願いを抱いていました。
しかし柚子が玲夜の花嫁と発覚したことで、その願いは呆気なく破れます。
失恋しても梓は玲夜を想い続け、玲夜の花嫁で味方のいる柚子へ嫉妬を募らせます。
柚子と比べて嫌いな蛇塚の花嫁でいることを強要され、誰も味方になってくれない梓。
孤立する梓に、玲夜を敵視して柚子を狙う陰陽師・津守幸之助が接近します。
梓は柚子の誘拐に加担する
梓は津守に洗脳の術をかけられ、柚子の誘拐に加担します。
当初は柚子を誘拐したら玲夜の花嫁になれるという津守の言い分に疑問を抱きます。
しかし津守は梓の苦しみを唯一否定せず、表面的とはいえ同情する言葉をかけました。
梓は初めてできた自分の味方を失うことを恐れ、津守の怪しい計画に乗ってしまいます。
同意してしまった梓に洗脳の術がかけられ、津守の操り人形として暗躍することに。
梓の花嫁になりたくない悩みを聞いてくれる人がいたらよかったのに。
透子も柚子も蛇塚の花嫁になりたい前提の悩みしか聞かなかったからね…。
小鬼の監視が入れない女子トイレで、梓は柚子に手紙を渡します。
手紙は柚子に謝罪をしたい、蛇塚と仲直りする相談に乗って欲しいというものでした。
しかし学内の指定の場所に誰にも言わず一人で来るようにと怪しい内容でした。
柚子は鬼だけでなく透子にも相談せず、手紙の通りに従ってしまいます。
操られた梓と一緒に車で連れ出され、梓にスマホを取り上げられ津守の屋敷に連行されます。
護衛の子鬼と陰陽師は相性が悪く、子鬼は一瞬で倒され柚子は監禁されてしまいます。
梓は津守と接触した記憶を消され、蛇塚家の前で倒れている所を発見されて療養となります。
梓のその後
原作では柚子誘拐の件で玲夜が尋問に来たのを「迎えに来てくれた」と喜びます。
蛇塚の前で玲夜に甘えてくっつこうとしますが、玲夜にこっぴどく振られます。
柚子の救出に向かう玲夜に必死に呼びかけるのを最後に、梓は登場しません。
後日、鬼龍院家へ謝罪に来た蛇塚から以下のことが語られます。
- 梓を花嫁から降ろして実家に帰し、実家への資金援助も切る
- 術が解けても玲夜が好きで、柚子が玲夜の花嫁で許せない梓の感情は変わらない
- 柚子誘拐の反省も罪悪感も殆ど無く、また柚子に危害を加えかねない状態
- 蛇塚への態度や憎悪も変わらず、話し合いを何度試みても駄目だった
- 愛しても憎悪を向け続ける梓に蛇塚も限界で、悩んだ末手放すことにした
柚子は梓の呼び出しに軽率に応じた自分が悪いと、梓を庇います。
しかし家柄の高い瑶太ですら、花梨と無理やり別れさせられる罰を受けています。
柚子を誘拐して謝罪もしないなら、鬼龍院家は蛇塚家も裁かないといけません。
蛇塚家は最も大切な花嫁を手放すという罰で鬼龍院へケジメをつけます。
梓への罰は柚子に接触できないよう花嫁から降ろし、資金援助を切ることにしました。
漫画は花梨と瑶太の別れの追加描写があったので、梓と蛇塚の追加描写も気になりますね!
蛇塚のその後
柚子を自分の花嫁が誘拐した気まずい関係ですが、蛇塚は友人グループに留まります。
柚子も透子も相手のあやかしを愛する花嫁で、東吉(にゃん吉)も花嫁と上手くいっています。
自分と違って相思相愛で結婚する友人たちを見ていれば、梓を思い出してしまうでしょう。
瑶太と違い接触禁止令も無いので、梓とやり直したいと思ってしまったかもしれません。
常に心に梓を想い、浮いた話の一つもないまま原作4巻まで蛇塚は一人でした。
そんな蛇塚も原作5巻で3歳下のあやかし・白雪杏那から猛アタックの末、婚約します。
蛇塚もずっと梓を忘れられないと告白を断ったものの、杏那の想いを受け入れ前に進みます。
新しい恋を始められたことに柚子たちも蛇塚家の者も喜び、幸せに包まれます。
蛇塚も完全なハッピーエンドではない
「花嫁と結ばれなかったあやかしは生涯独身となることが多い」と原作で描写があります。
本能が花嫁以外を愛することを許さないようで、幸せな蛇塚を本能が蝕んでいきます。
杏那に溺愛されても本能は梓を忘れさせてくれず、4年経っても梓への想いは消えません。
あやかしの本能を消せる神器が存在する話が出た時、蛇塚は神器を使いたいと口にします。
友人の東吉(にゃん吉)も梓を忘れさせてやりたい、使ってくれと頼みます。
蛇塚は生涯花嫁の梓を一番に愛し、自分を愛してくれる杏那を二番目にしか愛せないのです。
しかし悪影響が出る可能性も高いので、簡単に使えないと柚子は現状保留しています。
梓は再登場するのか?
原作者のクレハ先生がX(SNS)にて構想中である旨を発言されていました。
今後の更新に期待したいところですね。
コメント
梓が玲夜くんにこっぴどく振られた時は「ざまぁみろ!」ってなりました。
過去や境遇には同情しますが接近禁止令だけで許すとかぬるすぎないか?というのが率直な意見です。
名無し様
コメントありがとうございます。
梓からすると玲夜の花嫁ではないという正しい知識(パーティーに一緒にいても見向きもされなかった)を誰にも教えてもらえず、他の女性ファンのように追いかけたら愛してもらえると思い込んでしまったのが可哀想だなと思います。
梓の罰が甘くなった理由は重い罰を与えると梓の罪と柚子の誘拐を明るみにする必要があり、柚子の今後の生活と名誉を守った感じです。
浩介に告白されたり鬼龍院家から略奪狙いをされていた時に浩介がいる屋敷に誘拐されたら、世間は柚子のことをどう思うでしょうか?
柚子は浩介に乱暴されたのでは、他の異性にも花嫁としていられないようなことをされたのでは?といった悪意が向けられたり、事件の噂で居心地の悪い大学生活になったには違いありません。
花嫁を降ろされて資金援助を切られてあやかし社会から消える梓と、今後玲夜の妻になる柚子の未来。
守るなら絶対に後者ですよね。
梓はこれから大企業の社長令嬢から転落し、借金塗れの実家のために長女として働く未来が待っています。
そうなった時に仲が良かった家族から「梓が花嫁でいてくれたらこんなことにならなかったのに」と恨み言をぶつけられ、気弱で大人しくバイト経験のない梓が社会で頑張って働けるでしょうか?
美貌に惹かれて寄ってくる異性がいたとしても、実家が借金塗れと知ったら異性もその実家も梓との結婚を嫌がるでしょう。
そうなった時に蛇塚のことを思い出し、蛇塚も実は陰で梓を守っていてくっつくといった展開を期待していました。
そうはなりそうにないので、梓が幸せになれる二次創作を書こうかと思っています^^;
またのコメントをお待ちしております。